”生涯一バーテンダー”と心に決め、独立を目指す男の「BAR Sanctuary」完成までの旅の記録。 BARを愛する全ての人へ…ある無名バーテンダーからの熱きメッセージ。
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≪Profile≫

Bargin

Author:Bargin
1978年4月3日
 横浜市に生まれる。
1997年4月
 大学に入学。
 書道部に在籍し、熱き4年間を送る。
2000年6月
 教育実習をきっかけに教職を志す。
2001年4月
 私立高校に就職。
 一つの目標を達成するも、人生に
 疑問を抱き始める。
2002年8月
 人生最大の転機が訪れる。
 悩みに悩んで、「バーテンダー」
 という生き方を選ぶ。
2005年6月
 一歩上のサービスを学ぶべく、
 ホテルのバーに就職。現在に至る。
将来の夢
BAR Sanctuary」開業
好きなカクテル
 Gin&Lime
好きな言葉
 自由であり続けるために、
 自分であり続けるために。
愛読書
 「世界の名酒事典」(講談社)

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Road to Sanctuary 〜「BAR Sanctuary」誕生への道程〜
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「 Cocktail 」 の記事一覧



What is 「BAR Sanctuary」…?
BAR Sanctuary」は、私が2009年を目標に横浜に出したいと考えているお店です。
誰もが心の中に持っている、何者にも侵されたくない領域。
そんな自分自身の「Sanctuary」(:聖域)と独り向き合いたくなった夜、ふと立ち寄れる場所…。
それが「BAR Sanctuary」という店名に込める私の想いです。
BAR Sanctuary」は私と、このブログを訪問してくださる皆様が一緒に作り上げていくお店です。
皆様からのコメント、トラックバックをお待ちしております。

2007.04.30 Mon

Martini

いわずと知れたカクテルの王様、マティーニ。

その発祥は諸説あり、未だ明らかではありません。

マティーニの原型として、現在最も広く知られているのが「ジン・アンド・イット(Gin&It)」というカクテルです。

「It」とは「Italian Vermouth」の頭文字。

ジンと甘口のイタリアン・ヴェルモットを、1対1の割合でグラスに直接注いで作る「ジン・アンド・イット」は、現在のドライな味わいのマティーニからは遠く掛け離れたものでした。

1850年、イタリアのマルティーニ・エ・ロッシ社が自社のヴェルモットを拡販するため、このカクテルを「マティーニ」と命名し、世に広めたのが発祥と言われています。

当時は氷が大変貴重だったため、カクテルはほとんど常温で飲まれていました。

1876年、ドイツで製氷機が発明されたのをきっかけに、マティーニは一気にドライ化が進みます。

人々は、キリッと冷えた辛口のマティーニを求めるようになっていくのです。

やがてイタリアン・ヴェルモットは、辛口のフレンチ・ヴェルモットに取って代わります。

1対1だった割合は次第にジンに傾き、イギリスのチャーチル元首相に至っては、ヴェルモットの瓶を眺めながらジンを飲んだという逸話が残っている程。

チャーチルのマティーニは極端な例ですが、現在もやはりマティーニはドライなものが好まれる傾向にあるようです。

私のマティーニへのこだわりは、ドライでありつつ飲みやすいという事。

最初の一口がすっと喉の奥に流れていくような、優しく柔らかなマティーニを理想としています。

一言で表すならば「水の如し」といったところでしょうか。

ジンは冷蔵庫で冷やしたゴードン、ヴェルモットはノイリー・プラットを用います。

冷蔵庫で冷やしたジンを使うのは、常温では氷が解けやすく、冷凍庫ではジンの香りが閉じてしまうため。

レシピは、カクテル・グラス1杯分のゴードンに対して、ティー・スプーン1杯のノイリー・プラット。

ドライなレシピでありつつ、飲んだ時に実際の分量以上にヴェルモットの存在をしっかりと感じるマティーニを目指しています。

まだまだ進化の過程にありますが、これが現在私が最も美味しいと思うマティーニです。

もちろん、マティーニの好みは人それぞれ。

お客様の好みをお伝えいただければ、合わせてお作りいたします。

ただ、マティーニというカクテルは全てのバーテンダーにとって特別であり、それぞれにこだわりのスタイルやレシピがあるもの。

バーテンダーの数だけマティーニが存在すると言っても、決して過言ではありません。

初めて足を運ぶBARでは、好みのレシピでオーダーする前に、そのバーテンダーの渾身のマティーニを堪能してみてはいかがでしょう。

もしかしたら、かつて味わった事のないようなマティーニとの出会いがあるかもしれません。

そしてそのマティーニが、自分の新しい好みのレシピになるかもしれないのです。

最初からその可能性をなくしてしまうのは、あまりにももったいない気がします。

まずは、バーテンダーの名刺代わりとも言うべき一杯を受け取ってみてください。

「マティーニを」とオーダーした瞬間から、バーテンダーの「本気」が伝わってくるはずです。

MartiniMartini
Dry Gin 45ml
Dry Vermouth 15ml
Olive
Lemon Peel












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2007.03.13 Tue

Sidecar

サイドカーはブランデー・ベースのスタンダード・カクテル。

これだけ有名なカクテルにもかかわらず、その発祥は定かではなく、諸説入り乱れています。

第一次大戦中、フランスにドイツ軍が侵攻してきた際に、退却中のフランス軍将校がサイドカーに乗りながら、祖国の酒であるブランデーとコアントローにレモンを混ぜて飲んだという説。

反対に、フランスに侵攻してきたドイツ軍将校がサイドカーで乗りつけ、民家の酒棚にあった酒を適当に混ぜ合わせて生まれたという説。

また、パリのハリーズ・ニューヨーク・バー初代オーナー、ハリー・マッケルホーンが考案したという主張もあります。

その由来はさておき、サイドカーは非常に神経を使う難しいカクテルです。

もともとカクテルというのは、そのままでは飲みにくい粗雑な酒をリキュールやジュースなどと混ぜ合わせ、飲みやすくするというのが大きな目的でした。

ブランデーというそのまま飲んでも十分に美味しい完成された酒をカクテルに仕上げるというのは、至難の業なのです。

私はサイドカーを作る場合、同じバリエーションであるジン・ベースのホワイト・レディやウオツカ・ベースのバラライカを作る時よりも、ベースの酒を少し多めに入れるようにしています。

これは、水っぽくなるのを防ぐためです。

ジンやウオツカに比べて、ブランデー・ベースのカクテルはどうしても水っぽさが目立ってしまいます。

しかし先日、そんな風にして作ったサイドカーをお客様から「水っぽい」とご指摘を受けました。

しかも次のオーダーは、またしても「サイドカー」。

明らかにバーテンダーへの挑戦であると受け取った私は、レシピをドライの限界と思われる量までブランデーを増やし、シェークも酒の強さをできるだけ残すように変えてお作りいたしました。

2杯目のサイドカーはどうやら気に入っていただけたようです。

私の中でカクテルというのは「飲みやすい事」が大前提になっています。

どんなにドライなレシピでも、最初の一口がすっと喉の奥に流れていく。

そんなカクテルを理想としています。

2杯目にお出ししたサイドカーは、その理想からはかけ離れたものでした。

でもお客様はそれを「美味しい」とおっしゃいました。

自分の理想とお客様の好みの間には、必ずギャップがあります。

「ウチはこういう味なんだ」と自分の理想を押し付ける、ガンコ親父のラーメン屋のようにはなりたくありません。

でも、お客様が「美味しい」と言えば何でも良いのかといえば、それも違うような気がします。

こだわりを失ったら終わりです。

そういう意味で、2杯目にお出ししたサイドカーは自分のこだわりを捨ててしまった「媚びたカクテル」だったのではないかと、若干の後悔が残っています。

自分の中にあるこだわりを大切に守りつつ、お客様の舌に歩み寄る。

そんなバーテンダーを目指していきたいと思います。

SidecarSidecar
Brandy 30ml
Cointreau 15ml
Lemon Juice 15ml













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2007.03.05 Mon

The Curtain Rose

国際都市、横浜。その新たなる幕開けが近づいている。

「舞台の幕開け」を意味するこのカクテルが表すのは、「薔薇の如く真紅のカーテン」。

そのカーテンの向こうに広がる横浜の未来もまた薔薇色である事を願いつつ、150年の歴史に杯を交わそうではないか。

横浜を愛する全ての人へ、このカクテルを捧ぐ。


The Curtain Rose
The Curtain RoseBrandy 30ml
Cherry Brandy 10ml
Cranberry Juice 20ml
Rose Syrup 1tsp
Ruby Port 1tsp Drop










「rose」という言葉は「薔薇」の他に、「上昇する」という意味の「rise」の過去形を表しています。

「The Curtain Rose」とは直訳すると「(舞台の)幕が上がった」という意味。

横浜という大きな舞台の新たな幕開けを、市の花である薔薇のイメージで表現いたしました。

国際都市横浜に相応しく、国際色溢れる材料を用いています。

フランスのブランデー、デンマークのチェリー・ブランデー、アメリカのクランベリー、ポルトガルのポート・ワイン、そして横浜の薔薇。

薔薇のシロップは国産ではないのですが、「材料の中に何か一つ横浜に因んだものを」という思いから取り入れました。

実はこのカクテル、サントリーが主催する「横濱開港150周年記念 横浜オリジナルカクテル大募集」に出品したもの。

結果は残念ながら、落選でした。

にもかかわらず未練がましくこんな所に公開させていただいたのには理由があります。

すでにお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、このブログのプロフィール欄に使っている写真がこのカクテルです。

先日mixiを通じてある方から、この写真についての問い合わせをいただきました。

コンテストに応募したオリジナルカクテルである事をご説明させていただくと、次のようなメッセージを送ってくださいました。

「可憐な白と熱い深紅
 とてもコントラストの美しいカクテルですね
 案外、紅白のカクテルって少ないですよね
 これぞジャパンカクテルのなせる業!!!
 きっと入賞されてますよ」

この場を借りて改めてお礼を申し上げます。

本当にありがとうございました。

横浜を愛する人たちに捧げる事はできませんでしたが、今宵は貴方にこのカクテルを捧げたいと思います。


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2007.01.08 Mon

Balalaika

バラライカとはロシアの代表的な弦楽器の事。

胴の部分が三角錘形をしていて、逆さにするとその形はカクテル・グラスによく似ています。

語源は「おしゃべりをする」という意味のロシア語「バラカーチ」から来ているそうです。

ロシア生まれのスピリッツ、ウオツカをベースにした最も有名なカクテルのひとつ。

ウオツカ、ホワイト・キュラソー、レモン・ジュースというシンプルなレシピですが、味のバランスを取るのが非常に難しいカクテルです。

ベースとなるスピリッツに、ホワイト・キュラソー、レモン・ジュースを合わせたショートカクテルは他にもたくさんあります。

ジン・ベースのホワイト・レディ、ラム・ベースのX.Y.Z、ブランデー・ベースのサイドカーなどがそうです。

テキーラ・ベースのマルガリータも、ライム・ジュースを使いますが、このバリエーションのひとつと言っていいでしょう。

少し分量は異なりますが、スコッチ・ウイスキーをベースにしたサイレント・サードというカクテルもあります。

その中でも取分けバーテンダーの技量と味覚が問われるのがウオツカ・ベースのバラライカです。

カクテルは、ベースとなる酒の味がしっかりと効いていなくてはなりません。

ジンやラムなどはそれ自体が特徴的な味や香りを持っているので、例え少量でも入っていればカクテルの中に感じ取る事ができます。

それに比べて、ウオツカは味や香りがほとんど無いのが特徴です。

そのウオツカをシェークしてなおカクテルの中に「効かせる」というのはとても難しい事なのです。

加えてホワイト・キュラソーの甘味とレモン・ジュースの酸味。

まさに三位一体の味を作り出さなければなりません。

三つの材料のどれが際立ってもバランスを欠いたものになってしまいます。

シェークをする前にバーテンダーはテイスティングをします。

この時点でちょうど良いバランスになっていても、シェークしたものを飲んでみるとそのバランスが崩れている事があります。

これは、シェークによって味が丸くなり、スピリッツの味がぼやけてしまった事と、レモンの酸味が際立ってしまった事が原因です。

テイスティングを行う際には、「シェーク後の味」を想定する必要があります。

バラライカの場合、少しウオツカが強く感じられ、レモンは若干足りないと感じるくらいがちょうど良いのです。

私がシェークで作るショート・カクテルを練習し始めた頃、幾度となく作っては飲んだのが、このバラライカでした。

また、お客様にお飲み頂いた初めてのショート・カクテルでもあります。

そのお客様は、私が別のお店に移った今でも時々いらして下さいます。

お客様もその時の事を覚えて下さっていて「じゃあ次はバラライカを」と頼まれると、私は「前回よりも美味しいものを」と意気込みます。

「バーテンダーはお客様によって育てられる」

その事を身をもって実感した、私にとって思い入れの深いショート・カクテルです。

Balalaika「Balalaika」
Vodka 30ml
White Curacao 15ml
Lemon Juice 15ml













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2006.12.11 Mon

Gin Fizz

「ジン・フィズをください」

カウンターのお客様からこのカクテルを注文されると、私は一瞬の緊張を覚えます。

バーテンダーにとって、ジン・フィズはその技量を総合的に試されるカクテルです。

1888年にアメリカ、ニューオリンズのインペリアル・キャビネット・サロンのヘンリー・ラモス氏が、レモン・スカッシュにジンを入れたのが発祥と言われています。

「Fizz」とは、発泡性の液体がシューと泡立つ音、もしくは液体そのものを表しています。

ジン・フィズは、ドライ・ジン、レモン・ジュース、シュガーをシェークし、ソーダで満たすシンプルなカクテル。

しかしながら、シェークの技術、ベースの酒と甘味と酸味のバランス、炭酸の効き具合から氷の扱いに至るまで、バーテンダーがカクテルを作る上で必要な要素の殆どがそこに凝縮されています。

バランスの取れた美味しいジン・フィズを作る事が出来るバーテンダーは、優れた技術を持っていると言って良いでしょう。

私はバーテンダーになって1年余りが経った頃、ようやくジン・フィズを作る事を許されました。

シェーカーを振ってお客様にお出しした初めてのカクテルが、このジン・フィズでした。

もう3年も前の事ですが、初めてカウンターでシェーカーを振ったその日の記憶は、今でも鮮明に甦ってきます。

思えば、バーテンダーという職業を志すようになった最初のきっかけは、シェーカーを振るその姿がとても輝いて見えたからでした。

ジン・フィズを作る時、私は一瞬の緊張と同時に、今こうしてバーテンダーでいられる事に幸せを感じます。

私にとってジン・フィズは、初心を忘れない為の大切な一杯なのです。

Gin Fizz「Gin Fizz」
Dry Gin 45ml
Lemon Juice 20ml
Sugar 2tsp
Soda Full Up












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