”生涯一バーテンダー”と心に決め、独立を目指す男の「BAR Sanctuary」完成までの旅の記録。 BARを愛する全ての人へ…ある無名バーテンダーからの熱きメッセージ。
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≪Profile≫

Bargin

Author:Bargin
1978年4月3日
 横浜市に生まれる。
1997年4月
 大学に入学。
 書道部に在籍し、熱き4年間を送る。
2000年6月
 教育実習をきっかけに教職を志す。
2001年4月
 私立高校に就職。
 一つの目標を達成するも、人生に
 疑問を抱き始める。
2002年8月
 人生最大の転機が訪れる。
 悩みに悩んで、「バーテンダー」
 という生き方を選ぶ。
2005年6月
 一歩上のサービスを学ぶべく、
 ホテルのバーに就職。現在に至る。
将来の夢
BAR Sanctuary」開業
好きなカクテル
 Gin&Lime
好きな言葉
 自由であり続けるために、
 自分であり続けるために。
愛読書
 「世界の名酒事典」(講談社)

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Road to Sanctuary 〜「BAR Sanctuary」誕生への道程〜
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「 2007年03月 」 の記事一覧



What is 「BAR Sanctuary」…?
BAR Sanctuary」は、私が2009年を目標に横浜に出したいと考えているお店です。
誰もが心の中に持っている、何者にも侵されたくない領域。
そんな自分自身の「Sanctuary」(:聖域)と独り向き合いたくなった夜、ふと立ち寄れる場所…。
それが「BAR Sanctuary」という店名に込める私の想いです。
BAR Sanctuary」は私と、このブログを訪問してくださる皆様が一緒に作り上げていくお店です。
皆様からのコメント、トラックバックをお待ちしております。

2007.03.31 Sat

Shaker

バーテンダーが使う道具と言って、ほとんどの方が最初に思い浮かべるのがシェーカーではないでしょうか。

バーテンダーにとっても、シェーカーは重要な道具の一つです。

シェーカーの形状によって、カクテルの仕上がりも変わってきます。

YUKIWA Cocktail Shaker日本のバーテンダーの間で、最も広く使われているのが左の「ユキワ カクテル シェーカー」。

滑らかな形状は手に馴染みやすく、安定感があります。

「初めてシェーカーを買おうと思っているが、どれを選んでよいか分からない」という方には、まずはこのタイプがおすすめです。

YUKIWA Baron Shaker同じく多くのバーテンダーに愛用されているのが、左の「ユキワ バロン シェーカー」。

英語で「男爵」を意味するその名の通り、直線を主体とした男性的なフォルムが特徴です。

シェークの重要な要素である「空気の入り具合」が非常に良く、また、シェークした時の音も心地よく響きます。

独特な形状のため好みが分かれるところですが、個人的にはこのタイプが非常に使いやすいと思っています。

Antique Shakerそして左は私の愛用のシェーカー。

昨年、地元のアンティーク・ショップで購入したものです。

店頭に並んでいた時は、こんなに綺麗に磨かれてはいませんでした。

茶色くすすけた状態で、ワイングラスが並んでいる棚にぽつんと置かれていたのです。

しかしながら、不思議な存在感を放つその銀製の物体に、私は惹き付けられてしまいました。

手に取ってみると、多少の傷やへこみはあるものの、ボディとストレーナー、ストレーナーとトップの重なる部分には寸分の狂いも無く、まさに匠の技の極み。

三つのパーツから成り立っているとは思えないほどの一体感。

値札を見て一度はあきらめたものの、「これを見逃しては一バーテンダーとして一生後悔するのではないか」と数日に渡って葛藤が続きました。

結局あきらめ切れずに後日また店を訪れ、値引き交渉の末にようやく手に入れた代物です。

毎日、このシェーカーを磨く事から一日の仕事が始まります。

侍が毎朝、自分の刀を磨くように。

とはいえ、分不相応である事は百も承知。

いつの日かこのシェーカーに相応しいバーテンダーになる事を願いつつ、精進を重ねて行きます。

「どうすれば野球が上手くなりますか」という少年の問いに、かのイチロー選手はこう答えました。

「道具を大事にする事。しっかりと手入れをしたグラブでしたプレーは決して忘れない。」

全てのプロフェッショナルに通じる名言だと思います。

美しく磨き上げたシェーカーで、今日もお客様に最高の一杯を。


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2007.03.13 Tue

Sidecar

サイドカーはブランデー・ベースのスタンダード・カクテル。

これだけ有名なカクテルにもかかわらず、その発祥は定かではなく、諸説入り乱れています。

第一次大戦中、フランスにドイツ軍が侵攻してきた際に、退却中のフランス軍将校がサイドカーに乗りながら、祖国の酒であるブランデーとコアントローにレモンを混ぜて飲んだという説。

反対に、フランスに侵攻してきたドイツ軍将校がサイドカーで乗りつけ、民家の酒棚にあった酒を適当に混ぜ合わせて生まれたという説。

また、パリのハリーズ・ニューヨーク・バー初代オーナー、ハリー・マッケルホーンが考案したという主張もあります。

その由来はさておき、サイドカーは非常に神経を使う難しいカクテルです。

もともとカクテルというのは、そのままでは飲みにくい粗雑な酒をリキュールやジュースなどと混ぜ合わせ、飲みやすくするというのが大きな目的でした。

ブランデーというそのまま飲んでも十分に美味しい完成された酒をカクテルに仕上げるというのは、至難の業なのです。

私はサイドカーを作る場合、同じバリエーションであるジン・ベースのホワイト・レディやウオツカ・ベースのバラライカを作る時よりも、ベースの酒を少し多めに入れるようにしています。

これは、水っぽくなるのを防ぐためです。

ジンやウオツカに比べて、ブランデー・ベースのカクテルはどうしても水っぽさが目立ってしまいます。

しかし先日、そんな風にして作ったサイドカーをお客様から「水っぽい」とご指摘を受けました。

しかも次のオーダーは、またしても「サイドカー」。

明らかにバーテンダーへの挑戦であると受け取った私は、レシピをドライの限界と思われる量までブランデーを増やし、シェークも酒の強さをできるだけ残すように変えてお作りいたしました。

2杯目のサイドカーはどうやら気に入っていただけたようです。

私の中でカクテルというのは「飲みやすい事」が大前提になっています。

どんなにドライなレシピでも、最初の一口がすっと喉の奥に流れていく。

そんなカクテルを理想としています。

2杯目にお出ししたサイドカーは、その理想からはかけ離れたものでした。

でもお客様はそれを「美味しい」とおっしゃいました。

自分の理想とお客様の好みの間には、必ずギャップがあります。

「ウチはこういう味なんだ」と自分の理想を押し付ける、ガンコ親父のラーメン屋のようにはなりたくありません。

でも、お客様が「美味しい」と言えば何でも良いのかといえば、それも違うような気がします。

こだわりを失ったら終わりです。

そういう意味で、2杯目にお出ししたサイドカーは自分のこだわりを捨ててしまった「媚びたカクテル」だったのではないかと、若干の後悔が残っています。

自分の中にあるこだわりを大切に守りつつ、お客様の舌に歩み寄る。

そんなバーテンダーを目指していきたいと思います。

SidecarSidecar
Brandy 30ml
Cointreau 15ml
Lemon Juice 15ml













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2007.03.05 Mon

The Curtain Rose

国際都市、横浜。その新たなる幕開けが近づいている。

「舞台の幕開け」を意味するこのカクテルが表すのは、「薔薇の如く真紅のカーテン」。

そのカーテンの向こうに広がる横浜の未来もまた薔薇色である事を願いつつ、150年の歴史に杯を交わそうではないか。

横浜を愛する全ての人へ、このカクテルを捧ぐ。


The Curtain Rose
The Curtain RoseBrandy 30ml
Cherry Brandy 10ml
Cranberry Juice 20ml
Rose Syrup 1tsp
Ruby Port 1tsp Drop










「rose」という言葉は「薔薇」の他に、「上昇する」という意味の「rise」の過去形を表しています。

「The Curtain Rose」とは直訳すると「(舞台の)幕が上がった」という意味。

横浜という大きな舞台の新たな幕開けを、市の花である薔薇のイメージで表現いたしました。

国際都市横浜に相応しく、国際色溢れる材料を用いています。

フランスのブランデー、デンマークのチェリー・ブランデー、アメリカのクランベリー、ポルトガルのポート・ワイン、そして横浜の薔薇。

薔薇のシロップは国産ではないのですが、「材料の中に何か一つ横浜に因んだものを」という思いから取り入れました。

実はこのカクテル、サントリーが主催する「横濱開港150周年記念 横浜オリジナルカクテル大募集」に出品したもの。

結果は残念ながら、落選でした。

にもかかわらず未練がましくこんな所に公開させていただいたのには理由があります。

すでにお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、このブログのプロフィール欄に使っている写真がこのカクテルです。

先日mixiを通じてある方から、この写真についての問い合わせをいただきました。

コンテストに応募したオリジナルカクテルである事をご説明させていただくと、次のようなメッセージを送ってくださいました。

「可憐な白と熱い深紅
 とてもコントラストの美しいカクテルですね
 案外、紅白のカクテルって少ないですよね
 これぞジャパンカクテルのなせる業!!!
 きっと入賞されてますよ」

この場を借りて改めてお礼を申し上げます。

本当にありがとうございました。

横浜を愛する人たちに捧げる事はできませんでしたが、今宵は貴方にこのカクテルを捧げたいと思います。


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